わが国の人口は2008年をピークに11年連続で減少し続けており、2020年1月1日時点では、初の前年比50万人超えとなりました。それと同時に、問題になっているのが超高齢化です。2025年には国民の4人に1人が75歳以上になるとされ、これは世界でも例にない現象です。人口急減・超高齢化の課題に直面する日本が、これからどう進むのか。この問題に政府も地方公共団体も一体となって取り組み、持続可能な社会創生を懸命に模索しています。
地方創生を目指す第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
2019年12月20日に、第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定され、「稼ぐ地域」「地方とのつながり」のキーワードが追加されました。
政府は、人材の東京一極集中を是正するためにも、週末だけ地域の企業やNPOで副業・兼業するなどの地方との関りを推進し、地域の力にしていくことを目指すとし、また、地域の人材不足に対して、多様な形態で人材マッチング支援を進めています。
モデル就業規則の改定(平成30年1月)
収入の確保やスキルアップなど、さまざまな理由で副業・兼業のニーズが増加しています。しかしながら、多くの企業では、自社での業務がおろそかになる、情報漏洩のリスクがあるなどの理由から、これまで、副業・兼業を認めていない現状がありました。
厚生労働省が示していた「モデル就業規則」でも、許可なく他の企業の業務に従事してはならない旨の規定があり、拍車をかける要因の一つになっていたといえるでしょう。
そこで、厚生労働省は2018年(平成30年)1月に、モデル就業規則を改定し、労働者の遵守事項の「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という規定の削除。労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる(第14章第67条)」という規定を追加しました。
副業・兼業の促進に関するガイドラインの策定(令和2年9月公表)
働き方改革実行計画が進み、副業・兼業希望者が年々増加する中、政府は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定しました。これにより、労働時間管理や健康管理についてのルールを明確化し、また留意点を整理して、副業・兼業の普及促進を進めることとなりました。
副業・兼業の促進の方向性まとめ
・人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作っていくことが必要である。また、副業・兼業は、社会全体としてみれば、オープンイノベーションや起業の手段としても有効であり、都市部の人材を地方でも生かすという観点から地方創生にも資する面もある。
・副業・兼業を希望する労働者に対して、環境を整備することが重要。
・長時間労働にならないように、企業の対応や健康管理、労働者の対応、副業・兼業に関する制度に留意。
-みらいワークスが首都圏大企業管理職(35歳~65歳)を対象に「地方への就業意識調査」